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トランプ兵の反乱7

暫くすると息を切らせた五十嵐さんが戻って来た。
それと入れ代わるように服部さんが帰ってしまい、またもや僕は逃げそびれて春日さんの隣にいる。
「春日ぁ~」
怨みの籠った声で五十嵐さんが言う。
「前から何度も言ってあったよな?月に一度は是非、我が家の晩餐へ、お越し下さいって」
強調するように細かく区切って言う。
「いやぁ、それどころじゃなくって」
照れた(何故?)ように春日さんが口元に手を当てる。
「態々、お前の好物だからって昨日はタンシチュ-だったんだぞ?俺は食いたくもないのに熱々のシチューを食ったんだぞ?」
「いいじゃん。美味しかったんでしょ?」
「ああ、旨かったとも!お前がいたらもっと旨かったんだろうがな!!」
二人の会話を聞いていて何となく気になったので質問してみる。
「あの、お二人の関係って…?」
僕の言葉に春日さんが面白そうに首を傾げる。
「何だと思う~?」
「え、何って」
何かと言ったら必ず一緒にいるし、仲は良さそうだ。
だから素直に思った通りの事を口にしてみる。
「…付合ってるとか?」
僕の言葉に二人揃って顔を見合わせて、同じタイミングで吹き出した。
「にゃ~はははっ、何て愉快な誤解をしてんだぁ」
「凄ぇ、想像力。面白過ぎだっつ-の!!」
春日さんと五十嵐さんでほぼ同じ反応をする。
やっぱりこの二人って気が合うって言うか何て言うか。
「真澄ちゃんってば、嫉妬しちゃったのかなぁ?」
「誰にですか?」
うふ~と笑うばかりで春日さんは答えない。
散々、笑ってそれに疲れたのか、春日さんが肩で大きく息をつく。
「それは兎も角」
「おぅ、」
二人ともやっぱり同じ人種だ。
あっさり話題を切り上げちゃったよ。
「服部、何かあった?」
「何かって?」
「何だか少し深刻ブッてた」
「ああ、」
思い当たるフシがあるのか、五十嵐さんが疲れたように会長席に腰掛ける。
「妹だよ」
「んにゃ?」
「目の中に入れても痛くないってぐらい、可愛がってる妹がいるのは知ってるよな?」
「ああ、カスミちゃん」
「そう、それ。それがどうやら部屋に閉じ篭ったまま出て来なくなったらしい」
「何で?」
「ぁあ?どうして春日が服部の事なんか知りたがるんだ?」
「私は誰の事だって知りたいよぅだ。女の子は噂話が大好きなですぅ。それに噂は本人のいない所でしないとねぇ」
理に適っているのか?いいや、何か違う。
だが、五十嵐さんは納得したのか、それともどうでも良いのかあっさりと口を開く。
「男に振られたんだそうだ」
「それでヒッキ-?」
可笑しそうに手を口に当てて笑う。こういう仕種に皮肉が混じっているように見えるのは僕だけなのだろうか。
「んじゃ、お兄ちゃんは心配だわね。相手は誰?」
「知らね」
「トシ、幾つだっけ?」
「真澄ちゃんと同年」
「って、ウチのガッコ?」
「イヤ、確か女子高だったと思う」
記憶を手繰っているのか、五十嵐さんがボソボソと近在にある学校名を口にする。
「清蘭だったんじゃないか?」
「清蘭かぁ、お嬢だね」
「そうなんですか?」
「うん、ナンパされる率がググッと高いね」
何だか判断基準が違うような気がする。
「ナンパかぁ、」
春日さんは自分の言った言葉に何やら考え込んでしまう。
「そうだな。清蘭に関する事だったら綿井に聞くのが一番、早いんじゃないか?」
五十嵐さんがそう言う。
どうして?という顔をした僕に目を向けて答えてくれる。
「夜遊び魔人、別名ナンパ王だからな」
へぇ、と僕が納得してると春日さんが手をポンと鳴らす。
「ソレだ!」
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