スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

miu 4

*BL注意*



 卯木には何を言っても無駄だろう。どうせ自分に都合のいいように捩じ曲げてしまうんだ。だったら、僕もそれに従って何が悪い?
 笑ったまま目を閉じると、卯木の息が鼻先を掠める。甘いフレグランス。
 それに気を取られていると、柔らかく口元を塞がれる。何度か軽く触れ、すぐに離れようとする。咄嗟に追いかけると、背中に腕を回され深く口づけられる。
 弾みで椅子が倒れる。だが、卯木に抱きしめられているので僕に痛みはない。
 本能の求めるままに舌を伸ばし、濡れた音をさせながら互いに絡める。
 前にしたキスとは全然違っていた。以前のをただの接触とするなら、今のは交換と言った感じがした。
 唾液と共に何かを飲み込まされている。卯木の思いなのかも知れない。
 「ん……、」
 糸を引きながら卯木の唇が離れる。
 卯木は熱に潤んだような目をしている。多分、僕も同じだろう。
 「本当はもっと時間を掛けるつもりだったんだがね」
 困ったようにそう苦笑する。それを不思議に思って僕は濡れた口元を見つめる。
 「僕とキスするのは本意じゃない?」
 「そうじゃない、最初から口説くつもりだったよ」
 「じゃ、何」
 「祐希の壁を壊すのに時間が掛かると思ったんだよ」
 そう言いながら足を絡めて来る。卯木の膝が意地悪く擦り上げて来るので、途端に僕の心臓は跳ね上がる。
 「そんな物ない、だって僕とお前は似た者同士なんだろ。お前に対しては壁なんか始めからないよ」
 息が上がってそれだけ言うのがやっとだった。僕の言葉に、卯木が束の間動きを止める。
 「……驚いたな。素直じゃないか」
 「須田先輩みたいに損したくないからね」
 「成る程」
 納得の声を上げ、続けて僕のベルトを外す。その動きは流れるように自然なもので、制止する事も出来ない。そのままもどかしそうにジッパーを降ろすと下着の中に手を潜り込ませて来る。
 「くぁ、」
 他人に触られるのは始めてだったので、その刺激に声を上げ背中を反らしてしまう。僕の反応に気をよくしたのか、卯木は執拗なまでに指を絡めて扱いて来る。
 「やめ……学校、ここ」
 まさかと思うけど最後までするつもりなのかも知れない。僕だってそれを求めているけど、理性と常識がやめろと言っている。
 それなのに卯木は僕の耳に舌を這わせながら「それが何?」と楽しそうに囁いて来る。
 「折角その気になってくれたんだ、ここでやめるような勿体ない真似が出来る訳ないだろう?」
 言い返してやりたいが、言葉にならない。口を開けたら恥ずかしい声しか出ないような気がしたのだ。
 両手で口を塞いで声を我慢する。卯木が意地悪く指を動かすが、意地でも声なんか上げるものか。
 眉を寄せる僕がおかしいのか、卯木が笑い声を漏らす。
 「コツを教えてやろうか?」
 「な、に……」
 こんな状況で下らない事を言ったら、殴る。暴力は好きじゃないけど僕にだって限界はあるんだ。
 「相手の名前で呼ぶのさ」
 コイツ……やっぱり下らない事じゃないか。どうしてこんな時にそんなふざけた事が言えるのか、卯木の精神構造が心配だ。天才と何とやらは紙一重と言うし、もしかしたらコイツはバカの類いなのかも知れない。
 「騙されたと思って試してごらん」
 「……知らない、名前」
 嘘だった。
 ナンパされた時、卯木は僕の携帯にアドレスを送って来た。その強引さに腹を立てたものの、今も僕の携帯に保存されている。
 「冬馬だ、」
 僕の耳元で囁きながら、早くと言うように手を動かす。それに肩を仰け反らせ、我慢していた声を上げてしまう。
 「ト…マ……っ!」
 「もっと心を込めて欲しいな」
 切れ切れに叫ぶと、卯木が不満そうに唇を尖らせる。
 無茶言うな!
 でも、言うまでこのまま生殺しなのだろう。既に僕の息は浅く早い。絶頂が目前なのだ。
 だが、卯木が微妙な手加減をしてそれを許してくれない。
 「も……許して、冬馬!」
 「よく出来ました」
 ニコリと微笑んで手の動きを早める。その絶妙なタッチに耐え切れず、僕は声を上げながら卯木の手に放ってしまう。
 そのショックに呆然とする。他人に達かされるのは始めてなのだ。しかも相手は男。羞恥と混乱の余り、身動きも出来ずただ卯木を見つめる。
 だが、卯木は既に次の行動に移っていた。
 汚れた手を拭こうともせずに、僕の膝を抱えて持ち上げる。床で背中が擦られ、僕の口から「うぅ」と声が漏れる。それを無視して、卯木が僕の足の付け根に手を這わせて来る。
 「何……っ!」
 足を大きく開かされ、恥ずかしいと言うより狼狽してしまう。まさかと思うけど、本当にする気なのか。まだ校内に残っている生徒だっているのに無茶だ、バカ。
 「ん、」
 卯木が鼻に掛かった声を漏らしながら指を押し込んで来る。思ったような痛みはない。だが、探るように中で動くそれは言いようのない違和感を伴っている。
 「やめ、ろ」
 そう言いながら足で蹴ろうとする。だが、卯木は楽しそうにクスリと笑う。
 「腰振ってるぞ」
 その言葉にカァッと顔が熱くなる。これは腰を振ってるんじゃなくて、お前を蹴ろうとしたんだよ。バカか!
 「祐希はいやらしいな、」
 身体を伏せた卯木が僕の耳元でそう囁く。まるで暗示に掛けようとしているみたいだ。そうは思うが、抗う事など出来る筈がない。
 「三本も飲み込んでる、分かるか?」
 熱い吐息と共にそう吹き込まれて、僕はガクガクと頷き返す。
 それに満足そうな舌なめずりをして、卯木が更に低い声で暗示を掛けて来る。
 「おねだりは?」
 たったそれだけの言葉に僕は落ちてしまう。
 「あ、ゃだ……早くっ」
 もう考える余裕なんかない。卯木に言われた通りにするのが一番楽だ。僕の意思に反して脳がそう思い込んでいるんだ。どうしようもない。
 あんなに我慢していた声を上げ、腰を振ってねだる。
 「早く、欲し……!」
 涙の滲んだ目で卯木を見つめる。このもどかしさが解消されるなら、もう何でもいい。好きにしてくれ。
 更に足を高く持ち上げられ、天井しか見えなくなる。僅かに視界がぶれているのは僕の身体が震えている所為だ。卯木がベルトを緩める音が聞こえる。
 「んぁ!」
 衝撃に息が止まる。それは痛いとか気持ち悪いとかではない。強いて言うなら、信じられない。
 自分の身体にそんな事が起こるなんて思った事もないのだ。それなのに身体の奥に他人の熱が入り込んでいる。自分で求めた癖に何だが、この事態に混乱してしまう。
 「キツ……力抜け、」
 そう言いながら卯木が腰を引こうとする。ふざけるな。
 咄嗟に身体を起こして卯木の肩に指を食い込ませる。
 「やめる、な……もっと、」
 浅い呼吸の合間にそう言うと、卯木が何とも嬉しそうな顔をする。ちょっと子供みたいだ。普段が大人びているだけにそのギャップがおかしくなる。
 「もっと欲しがって、もっと呼んで、祐希」
 子供のように無邪気にそんな事を言う。仕方ないので言われた通り、卯木の名前を呼びながら奥に欲しいとせがむ。
 再び仰向けに倒される。ギシギシと関節が鳴る。見上げている天井が激しく揺れる。それ以上に僕の心は揺れていた。男相手に腰を振っていると言うのも驚愕だったが、何かが満たされた気がして不思議だった。
 「あ、やだ!」
 不意にゾクッと背中が震えて悲鳴を上げる。一瞬、ピリッと電気が走ったように身体が痺れたのだ。
 しかし卯木は僕の言葉を無視して、その一点のみを集中的に攻め立てる。腹の奥が熱くなって腰が痺れる。意思とは関係なく身体が震える。
 「あ、ゴム忘れたな……まぁ、いいか」
 卯木の呟きにハッとする。
 お前、今何て言った……?
 繋がっているんだから、卯木が達しそうなのは分かってる。
 よくないだろ、冗談じゃない!
 慌てて身体を捩って逃げようとする。だが、体格が違う上に今は組み敷かれているのだ。思ったように動けない。
 くそ、バカ。離せ!
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。