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マッドハターでお茶会 6

ミス研の人間が二人もいたんじゃカムフラージュにならないって言われて今、一人ぽっち。
場所は五十嵐の家。そこの五十嵐の部屋。
目立つ格好はするなよって言われてたからメイドさんファッショーン。
外でだとちょっと目立っちゃうから態々、トイレ借りて着替えたんだけど。
なのに五十嵐には怒られた。
余計、目立つって。
何でかなぁ?
五十嵐の家ってメイドさんがいるからコレでいいと思ったんだけどなー。そう言ったら、「いるのは家政婦さんで、普通の服装にエプロンしてるだけだ」って言い返されちゃった。うん、確かにそうだった。
閑話休題。
お茶会の場所は目の下の庭。
絶好のロケーションって奴?
ただ単に五十嵐に閉じ込められたってだけなんだけど。監禁されちゃってるのよ。
カーテンの影から覗いてみるとバッチリ詩音と目が合って思わず手なんか振ってみる。
詩音はフッて冷笑を浮かべるだけで手を振り返してはくれない。
当たり前だ。
詩音の前には夜遊び魔人の異名を持つ綿井が座ってるらしい。
どれどれ、真澄ちゃんは……っと。
ありゃ、五十嵐の横にいる。
どうせ生徒会権限とか何とか言って真澄ちゃんを言いくるめたんだろうけど。職権乱用もいいところだよ。
参加人数は全部できっかり十人。
告知は一切せずに、おまけに絞りに絞って集まったメンバー。
何が凄いって詩音以外、全員男。それが集まって皆して真澄ちゃんを見つめている。これは考えようによっては怖いような笑えるような、面白い光景かも。
中には本当に謎の美少女だと思って見蕩れちゃってる人もいるんだろうけど、綿井辺りは気付いてると思うんだ。伊達に女の子と遊んで来た訳じゃないだろうし。でも、綿井は転校して来てからずっと真澄ちゃんに惚れてたらしいから、このお茶会に参加してるのも納得。うん。
そんな人数をあっさり収容できてしまう五十嵐家の庭は広い。
詩音の出した条件で『絶対にテーブルと人数分の椅子を用意する事』ってのがあったけど、それもあっさり用意できちゃってるし。
五十嵐ってもしかしてお坊っちゃま?
見ているだけで会話が全く聞こえないからツマラナイ事、甚だしい。
ボンヤリしてたら眠くなって来て、欠伸した頃にやっと最後の客がやって来た。
幽霊に怯えていた佐波さんが椅子に腰掛ける。これで全員、揃った。

皆して何だか訳の分からないテンションで喋っていて煩い。
一度に全員が喋ってるから誰の話も聞き取れない。
僕はただ曖昧に笑っているだけ。
誰一人として冷静ではないんだから。とか、思ってたら冷静な人がいた。
春日さんだ。
どこか遠くを見て皮肉な笑みを一瞬浮かべからこっちを見る。
物凄く怖い目でジッと僕を見る。
『口開くなよ』
そう言っているのだ。
流石に喋ってしまったら正体がバレてしまうから一切、声を出すなって命令されている。
勿論、僕だってそんなのは困るから素直に従う。
けど、何だか釈然としない。
そもそも、こんな事になったのは前のミステリツアーで僕にアリスをさせたからじゃないのかな?って、事は春日さんの所為って事になる。
なのに、どうして僕がこんな理不尽な目に合わなきゃいけないんだろう?

およ?
何だ?
綿井が突然、むせたよ。
あれれ?
他の人もゲェゲェしてる。
その内、何人かは口を押さえてどこかに駆け出す。
何があったんだろう。
平然としているのは詩音と五十嵐と……。
真澄ちゃんが吃驚したように持ってたカップを取り落とす。
まさか、毒でも盛られたのかにゃ?
慌てて部屋を飛び出そうとして、気が付く。
外から鍵掛けられてたんだった!!
はうっ!
再び窓まで駆け寄りハラハラしながら庭を見ると詩音がカップを取り上げようとしているぅー!
「ダメぇ~!!」
窓開けるのも忘れてそのまま叫ぶ。
しかし詩音はカップを口に付けず、鼻先に近付け匂いを嗅いでいる。
本当に毒なの?

どうして?
何でこんな事になったんだろう?
どう考えても原因が思い付かない。
春日さんがカップを静かに戻し、五十嵐さんを見る。
それにつられて五十嵐さんに目を向けると何故か小さく笑っている。
「上でユノが暴れてるから出してやれば?」
その言葉に振り返るとユノさんが二階の窓から見えた。
手をパタパタと振って……確かに暴れている。
五十嵐さんは仕方ないな、という風に肩を竦め立ち上がる。
その後ろ姿を見送って春日さんが僕を見る。
「犯人はアリスだな?」
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