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マッドハターでお茶会 7

「いや~ん、早く救急車呼んだ方がいいよぅ」
のんびり歩く五十嵐を追いこして庭に出てそう叫ぶ。
詩音がそれを聞いて苦笑いを浮かべる。
どうしてそう悠長にしてられるかなぁ?
「そんなたいした事じゃないよ、ユノ」
「何でぇ?」
「だって、お茶に入れられてたのは酢なんだから」
ス。
スって、お酢の事?!
「それに犯人も分かってる」
「え、嘘ォ?!」
「アリスだよ」
アリスって、真澄ちゃんが?どうして?
「今日はアリスのティーパーティーだから主役のアリスが皆にお茶を振る舞った。つまり、カップに注いだのはアリスだ。その時に隙を見てポットに酢を混入させたんだろうね。先にレモンをカップに入れておけば発覚はしにくいだろうし」
「何で、ま……アリスがそんな事すんの~?」
マズイ、マズイ。
真澄ちゃんだなんて言ったら今日のお茶会の意味がなくなっちゃう。
「仕返しって事かな?」
「どうして春日さんは飲まなかったんですか?」
真澄ちゃんがとても残念そうに言う。それを見ると、本当に真澄ちゃんが犯人だったんだぁ。
「予測していたからね」
何て事ないように詩音が言う。
「真澄ちゃんがやられるだけの大人しい子だとは思ってないから、そろそろ何か仕掛けて来るんじゃないかなぁと思って」
詩音がヘラヘラと笑う。
ん~、このギャップはキツいかも。
五十嵐を振り返ると「俺は春日が飲まないからもしかして、って思って」と答える。
つまり真澄ちゃんは一番仕返しをしたかった人物にはできなかった事になるのかな。
「あの……」
言われて思い出したけど、佐波さんもお茶に口を付けてないんだった。
「一体、どういう事なんでしょうか」
その巨体に似合わないオドオドした態度で詩音に訊ねる。
「何でもないんだ、気にしないでくれ。それにしても君はラッキーだったね」
思わぬ詩音の言葉にその場にいた誰もがきょとんとする。
「何しろ、君のお茶にだけ毒は盛られていたんだからね」
え。
えぇ~?!

春日さんの言葉に思わず仰け反ってしまう。
五十嵐さんが疑わしそうな目で僕を見る。僕はそんな事してないのに。
佐波さんに特別、恨みがある訳でもないのにどうして僕が毒を盛らなくちゃならないんだ。どうせなら春日さんと五十嵐さんにする。
「君、女の幽霊は相変わらず現れるんだろう」
春日さんの言葉に佐波さんが頷く。
「女は何を言っている?声が小さ過ぎて聞き取れないのかな?」
「そうです。だから気味が悪くて相談したのに」
「誰かに恨まれる覚えは?」
佐波さんが首を振る。
「だ、そうだ。ユノ」
春日さんがユノさんを見る。
驚いた事にユノさんが物凄く悔しそうな顔をして佐波さんを睨んでいた。
「チョウムカツクぅ~」
金髪の頭をブンブン振ってユノさんが言う。
「詩音はいつ気が付いたのぉ?!」
「ユノが約束の時間より早く来てたからね。何かする気なんだな、と思った」
「うわぁ、余計ムカツク~。皆、嫌い!!」
そう叫ぶと真っ黒いレースのドレスを靡かせて走り去ってしまう。
呆然としていると洗面所に行っていたのか、皆が戻って来る気配がした。
「取り敢えず、アリスは隠れた方がいい」
春日さんの指示で五十嵐さんに導かれて家の中に入る。
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