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極上の趣味 11

「取りあえず、辻と吉野以外はここに揃った訳だ」
久保の腕をさり気なく払って西垣がそう言う。
キョトンとする宮森に松村が解説してくれる。
「当時同じクラスでうちの高校に進学したのはそれで全員だから」
ああ、成る程。
呼び出される可能性があるのは、いじめっ子の辻ともう一人って訳か。
そんな納得としている間に西垣が事情を説明し、それを聞いた島津が「分かったわ」と頷く。
「校舎の見回りをしてあの二人を見つけ出すって事か。でも、この人数で移動するのはちょっと面倒ね」
「ああ、だから島津と久保はどこかで待っててくれ。終わったら呼びに行く」
「私たち二人だけ?」
そう問い返されて西垣が少し思案するように黙り込む。それに助け舟を出したのは森橋だった。さすがは親友。
「だったら俺も島津たちといるよ。それなら安心だろ」
「ああ、そうだな。松村はどうする」
西垣に振られて松村が「うぅん」と声を上げる。
「能力的に言えば、そっちは西垣がいるんだから僕は待機班にいた方がいいんだろうけど」
能力って何の能力?
でも、松村の言いたい事は何となく分かる。
噂でしか知らないが、西垣はオールマイティの切り札のような奴なのだ。頭も切れるし、運動神経も抜群。だから、松村は何かあった時の為に待機班にいた方がいい。
「けど……何だ?」
「好奇心を優先させて貰えるなら見回りの方に加わりたいかな」
「どんな好奇心だ」
「手紙の差出人が何をするつもりなのか知りたいんだよ」
「何をするつもりだと思う」
「それは分からないよ。だから、僕は待機班にいた方がいいのかなって思うんだけどねぇ」
松村の言葉に考え込んだ西垣の出した結論はこうだ。
「全員、食堂にいてくれ。何があっても動かないように」
どうやら一人で見回りに行くらしい。
それにホッとするが、西垣に手を掴まれギョッとする。
「行くぞ、宮森」
「え、それはおかしいでしょ?」
何で三年が食堂で待機するのに二年の自分が、生徒会役員でもないのに見回りに同行しなきゃいけないの?
振りほどこうとするものの、ギュッと握られ血流が止まりそうになる。
「離せって、この馬鹿力!」
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