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極上の趣味 31

数時間前と同じように全員が図書室に集まっていた。
ただ久保はこの場におらず、その代わりに吉野とヨシユキがいる。
翼と松村に挟まれてヨシユキが座っており、それと離れた所に椅子を持ち出して吉野が座っていた。
三人が中に入ると、松村が「何があったの」と声を掛けて来る。
それに西垣が掻い摘んで説明しているのを聞きながら、宮森は床にクッションを並べて島津を座らせる。
「何か飲みますか」
「……大丈夫」
蒼白い顔で小さく首を振る。無理もない。
ただでさえ異常事態なのに、友達が自分のすぐ傍で殺されたのだ。
少なからず責任を感じるだろうし、何より怖いだろう。
宮森は励ますように軽く頷き、西垣を見る。
丁度、説明が終わった所らしく西垣に目で促され、全員にビニール袋に入れた状態のままネクタイを見せる。
「誰の物か分かりますか」
「俺のだよ」
殆ど間を置かずにヨシユキが答える。
「雪華を殺したのも俺。他の人に危害加えるつもりはないから安心していいよ」
そう言って何がおかしいのか、ニッコリと笑う。
宮森はその顔を真っすぐに見つめ、「違いますよね」と言う。
「さっき、カイチョーとも話したんですが、ヨシユキさんに久保さんを殺せる筈はないんです」
「どうして?」
「ヨシユキさんが久保さんを殺したとするなら、いつ保健室に行ったんですか。辻さんが死んだ後はそのチャンスはなかった筈です。かと言って、その前も久保さんがいた保健室には島津さんと松村さんがいた、ヨシユキさんは保健室に来ましたか」
質問と同時に松村を見る。
「来なかったよ。来てたら西垣にそう言うし」
松村の言葉に島津も頷く。
それを確認して再びヨシユキを見ると、困ったように苦笑を浮かべていた。
「いいじゃん、俺がやったって言ってるんだから」
「それを信じろと?」
「うん。何だったら雪華を殺した理由も言おうか?」
そんな事を言われると思っていなかったので、宮森は驚きに目を丸くする。
「聞きましょう」
そう頷くと、ヨシユキが少し考える素振りを見せて口を開く。
「ものすごく分かりやすい理由なんだけどね。俺は雪華の事が大嫌いだったんだよ」
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